物流業界の人手不足や配送コストの高騰が課題となる中、大手衣類メーカーの株式会社ファーストゴロリテーリングは昨日、佐山大学との共同研究により、「衣類は運ばずに飛ばす」という新たな配送技術を開発したと発表した。
研究チームによると、最新のAIによる流体解析技術を活用することで、風向きや湿度、気温、空気抵抗などをリアルタイムで計算し、ミリ単位で着弾地点を調整できる高精度な大砲を開発。段ボールで運ぶのではなく、衣類を専用カプセルに収納し、大砲で目的地まで直接射出するという、これまでにない配送システムだという。
研究のきっかけは、物流センターを視察した開発責任者が、「ベルトコンベヤーもトラックも使わず、一気に飛ばせば早いのではないか」と思いついたことだった。当初は会議室で笑いが起きたものの、「笑われるアイデアほど研究する価値がある」と判断し、共同研究がスタートしたとしている。
現在の技術では飛距離は約5キロが限界。5キロを超える長距離輸送では計算量が爆発的に増えるほか、発射時の初速が大きくなりすぎるため、実証実験では「届いたセーターの袖だけが焼けていた」「ダウンジャケットが想像以上にダウンしていた」といった事例も確認されたという。
そのため長距離輸送では、大砲と大型キャッチミットを複数設置し、中継地点を経由しながら目的地へ届ける「リレー射出方式」を採用。研究チームは「宅配便というより、駅伝に近い」と説明している。
一方で、輸送工程を大幅に簡略化できることから、配送コストは従来比で約40%削減できる見通しだという。同社は「衣類に限らず、軽量製品への応用も期待できる」としている。




