ゴム材料の研究を専門とする南砂町大学工学部の東陽教授は今日未明、「硬いゴムは、めっちゃ硬い」とする研究結果を発表した。
研究のきっかけは、新しいゴム素材の開発だったという。東陽教授は、ゴムの可能性を広げようと、さまざまな材料を混ぜ合わせる実験を繰り返していたところ、ある日、誤って通常より大量の硫黄(いおう)を混ぜてしまった。その結果、完成した試作品は「これ、本当にゴムなのか」と疑うほど硬くなり、まるで石のような質感になっていたという。
教授は当初、「ゴム業界を変える歴史的発見かもしれない」と興奮し、研究室内では拍手が起こったと説明。しかし、その後、文献を調査した結果、この素材は100年以上前から知られる「エボナイト」であることが判明。発見の喜びは数分で終わりを迎えたという。
エボナイトは、天然ゴムに大量の硫黄を加えて作られる硬質ゴムで、かつてはボウリングの球や電話機の受話器、万年筆、レコードプレーヤーの部品など幅広い製品に利用されていた。一方で、現在では加工のしやすさやコスト面で優れるプラスチックへ置き換えが進み、日常生活で目にする機会は大きく減っている。
それでも東陽教授は、「エボナイトにはプラスチックにはない独特の温かみや、しっとりとした手触りがあります」と魅力を語る。「効率やコストを追求することも大切ですが、ときには実際に触れたときの感覚や、素材そのものが持つ魅力にも目を向けてほしい」と会見で訴えた。
また、教授は「研究というのは、新発見をすることだけが価値ではありません。昔からある技術の良さを改めて見つめ直すことにも意味があります」とコメント。「結果として新素材は見つかりませんでしたが、エボナイトの良さを再発見できたことは大きな収穫でした」と前向きな姿勢を見せた。
一方、この発表について材料工学の専門家からは、「発表する必要があったのか」と冷静な意見がある一方、「忘れられつつある素材に再び注目を集めたことは評価できる」「ノスタルジックですね」とする声も上がっている。



