柴三郎大学医学部名誉教授の治癒千雪氏は7月13日、腹痛時にお腹を手で軽く押さえることで、痛みが一時的に和らぐ可能性があるとする研究結果を発表した。
研究のきっかけは、治癒氏自身の体験だった。研究室へ向かう特急列車内で突然、原因不明の激しい腹痛に襲われたという。当時は特急列車だったため次の停車駅まで約10分あり、途中下車することもできない状況だった。「とにかく何かしなければ」という思いから、無意識に両手でお腹を押さえたところ、痛みがわずかに和らいだように感じたという。
しかし、その後は痛みが落ち着く時間と激しくなる時間を繰り返し、実際には約10分だった移動時間が「体感では30分ほどにも感じられた」と振り返る。車窓の景色が普段よりゆっくり流れて見え、「時間の進み方まで変わったように感じた」と当時の心境を語った。
この経験をきっかけに研究を開始。実験の結果、お腹を手で包むように押さえることで安心感が生まれ、精神的な緊張が和らぐことが確認されたという。また、ストレスや緊張によって腸の働きが乱れている場合には、副交感神経が優位となり、痛みが軽減される可能性があるとの結論に至ったとしている。
一方で治癒氏は、「すべての腹痛に効果があるわけではなく、症状が強い場合や長時間続く場合は速やかに医療機関を受診してほしい」と呼びかけた。そのうえで会見では、「緊急時には、それまで学んできた医学の知識は一瞬で吹き飛び、結局は神頼みになってしまいました」と苦笑いを交えながら当時を振り返り、会場の笑いを誘った。

